渋皮煮の季節
また、一年回って渋皮煮の季節がやってきた。
あたりはもう秋の気配だ。
空には魚のように鱗雲が浮かんでいるし、空気はひんやりとして冷たい。
私はこの季節が好きだ。
心が落ち着き、しんとし始める。
夏の心がざわめく感じも好きだけど、
それに少し疲れたころに秋はやってきてくれるのがいい。
一年経って、私もいろいろ変わった気がする。
何とはうまく言えないけれど、
前より深く息が吸えるようになった気がするし、
落ち着いてものを見れるようになった気がする。
最近、自分への許し、についてよく考える。
私は、(皆は?)、自分の歩調を周囲に合わせるよう、強いてきた気がする。
それが思いっきり無理がきたのが、ここ数年間の私に起こった出来事だったと思う。
さまざまに周囲への怒りや両親の無理解や、起こったさまざまな理不尽を
思い出せば未だに息が詰まるのだけど、
どこかに 私がいけないからこんなことをされるのではないか? と思ってたと思う。
でも、もう、そんなつまらないことは考えなくてよくて、
私はきちんと努力をし、
誠実に対応したことを、
もう認めてあげてもよくなったと思う。
それだけ。